警察か興信所か？
家出人の捜索に当たっては、まず警察と興信所のどちらを当てにしたらいいのかという疑問が生じると思います。
警察へはもちろん捜索願を出しておくべきです。
ただし、事件性（拉致・誘拐・殺害等）や自殺の危険が明確（遺書があるなど）かどうかで扱いが大きく変わります。
明確に危険と判断される場合は「特異家出人」として受理し、積極的な捜査を行ってくれますが、危険の証拠がない場合は「一般家出人」として受理されます。
すると、データベースに登録し、事故や職務質問に関連した人物を優先的に照合する程度で、大した動きはしてくれません。
特に成人が自分の意思で家出した場合は、何もしてもらえないと覚悟しておいてください。
成人は誰にも告げずに好きな場所に行く権利があるからです。
そもそも、捜索願は家族しか出せません。
ストーカーや借金取りに警察の捜査を悪用されてはたまらないからです。
家出人が家族でないなら、まず相手の家族と連絡を取り、警察に捜索願を出してもらう必要があります。
結論として、事件性や遺書がない場合は自分たちで探すしかありません。
また、危険が明確で警察が動いてくれる場合もなおさら警察だけに頼らず、自分たちも探したいと思うでしょう。
素人集団ではらちがあきませんから、興信所はどちらの場合でも非常に有力な選択肢だということです。
家出人のタイプ
家出人を年齢・性別で分けると次のように大別されます。
- 未成年男女
- 成人男性
- 成人女性
- 高齢者（認知症彷徨など）
この中で興信所への依頼が多いのが、最初の２つです。
未成年の家出は二段階に分かれます。
最初はネットカフェなどで所持金を消費しながら過ごすことが多く、冒険を楽しみながら心のどこかで親が探してくれることを望んでいます。
この段階で見つけてあげると軽症で済みます。
しかし、所持金が底をつき、「親は探してくれない。自分のことなんかどうでもいいんだ。」と思うと、第二段階に入っていきます。
半グレ集団などと関わったり、ネットで知り合った相手と援助交際をする場合も多いです。
ここまでくると発見して連れ戻しても、非行が身に沁みついたり、家出が再発したり、やっかいなことになりがちです。
環境が昔と違い、簡単に暴力・薬物・売春に巻き込まれて行く時代です。
「子供の家出はよくあること」などと楽観視せず、早めに捜索した方がいいと思います。
もう一つ、依頼が多くて危険度も高いのが成人男性の家出です。
仕事に行き詰まったり、リストラされて将来を悲観し、自殺する傾向が強いのです。
女性の家出ではそういう行動は少ないです。
強いように見えて、人生の挫折に対しては男性の方が弱いようです。
年齢帯のピークは30前後と50代のお父さん世代。
自殺する人は実行の前に懐かしい場所を旅行することが多いので、そういう危険がある場合は、該当する場所をできるだけ早く特定する必要があります。
押さえるべき初期情報
家出に気づいたら、下記のようなことをざっとまとめましょう。
簡単なリストではありますが、気が動転している時には役に立ちます。
- 本名・ニックネーム・年齢・性別・住所
- 身長・体型・髪型・顔など、外見上の特徴
- 家出時の服装・靴・アクセサリー・持ち物
- 本人の写真（できれば複数）
- いなくなった日時
- 家出の動機・事情
- 同伴者の有無
- 徒歩かバイク・車使用か？
警察、興信所、いずれに相談に行く時も、上記くらいのことが整理されていると、とりとめのないことをまくしたてて時間を浪費しなくて済むでしょう。